全4回に渡ってお届けする「令和の“モテ学”」、第2回の今回は外見や第一印象における影響について紹介します。
「自分のことを理解・許容してくれる」が何より大事
「交際相手、結婚相手に求める条件(グラフ①②)」をアンケート調査したところ、どちらの質問でも「自分のことを理解・許容してくれる」が男女ともにダントツの 1 位(交際 18.4%、結婚 19.2%)に。「自分のことを理解・許容してくれる」人を求めているということは、すなわち「ありのままの自分を受け入れてくれる」相手を求めているということなのでしょう。
こういった条件が上位にくる理由には、女性と男性で活躍する機会の差がなくなり、男女ともに個人が自立しているという時代背景が挙げられそうです。最新の『第 16 回出生動向基本調査国立社会保障・人口問題研究所』を見ると、結婚相手に求める条件として重視するものは、男女とも「人柄」に次いで「家事・育児の能力や姿勢」「仕事への理解と協力」という結果が報告されています。
今回の調査結果「話が合う」の項目では、交際は13.4%だったのに対し、結婚になると8.4%に減少。一方で、「経済力」は交際が6.4%だったのに対し結婚では10.2%、「お金の価値観」は交際が6.8%に対し、結婚は9.8%と上昇しています。
交際するなら話が合って一緒に居て楽しい相手を、結婚するならお金の価値観が合って経済力のある相手を選ぶのは、当然と言えば当然の結果です。
鬼頭先生は条件で選ぶことのリスクも指摘。「私はこういう人が好き、という好みはそれぞれあると思うのですが、それだけで選んでしまうと、実は相性が合うかもしれない人が候補から外れてしまいます。とても勿体ないと思います」とのこと。
ここで「特にない」と答えた人(交際15.4%、結婚 17.2%)は、実は無条件で相性の合う相手を見つけ出せる恋愛強者なのかもしれません。
顔もファッションも「平均」「無難」がモテ傾向 !?
ここからは、見た目の「外見」に絞った調査結果を発表。外見のうちもっとも大事だと思うのは「顔(グラフ③)」が51.6%で 1 位という結果に。
体形の捉え方は人によるので難しいところではありますが、ファッションも含めて普通・シンプルに票が集まり(好きな体型(グラフ④)男性 38.0%、女性 34.0% が普通体形、好きなファッション(グラフ⑤)男性 55.6%、女性 58.8% がカジュアル・シンプル)、鬼頭先生が指摘した「平均顔がモテる」ことと同様に、外見においては突出した個性よりも無難にまとまっていることがモテの傾向なのかもしれません。
出会い方にもよりますが、まず外見が最初に目に入るので、そこから受ける印象がその後の好きという感情にも影響を及ぼします。
また、外見で選んでいる、選んでいないと本人が思っていても、無意識のうちにノンバーバルコミュニケーション(身振り手振り、表情や目の動きなどの非言語コミュニケーション)の部分や、その他を総合的に感じとって相手を選んでいるということがあります。
なので、「外見」とひと言に言っても、今回調査したような見た目の外見だけではなく、その人の内側から出ている性格要素を含む外見とも言えます。
好きな身体のパーツの調査(グラフ⑥)を見ると、「目」という回答が多い(男性 44.4%、女性38.4%)ですが、これはもしかしたら目の奥の感情を見ているのかもしれません。
口は嘘を言えるけど、目には正直な感情が出ると言われていて、特に日本人は目で相手の感情を認識する傾向があります。外見を見ているようで、無意識に内面の感情を読み取っているということかもしれません。
鬼頭美江先生
専門分野は、恋愛関係や友人関係などの対人関係。
対人関係の社会差を明らかにし、その社会差がなぜ生じるのかというメカニズムについて 20 年以上研究している。近年では、日本の婚活イベントやマッチングアプリについても積極的に研究を進めている。