2022.12.08 Omiaiレポート

お見合い議論2022~③現代の“お見合い”って何だろう?~

全4回に渡ってお届けする「お見合い議論2022」、第3回の今回は現代のお見合いについて紹介します。

旧来の “お見合い”という言葉や手法の定義が変わりつつある

ここまでの調査結果から、真剣な出会いに求められているのは「自分が相手に求める条件を提示してくれる、何かを介したサービス」であることがわかりました。
職場など自分の身のまわりには出会いがないため、知人や結婚相談所、マッチングアプリなどを介し、条件にあう相手との出会いを求めている人が多いようです。

こういった現状を目の当たりにしている美容師で婚活アドバイザーの上原啓輔さんは、「出会いの場として “ お見合い ” が見直されている」と言います。「お見合い」と聞くと従来の儀礼的な会食をイメージする人もいれば、出会いの手段が多様化してきたことで、広義に捉える人もいるようです。そこで Omiai Report 編集部では、「お見合いの概念」に関する意識調査を実施しました。

この結果を見ると、1 位が「知人を介した儀礼的な会食」で33.6%、2 位が「結婚相談所」で 33.1%、3 位が「知人からの紹介」で 26.8% がランクイン(該当なしを除く)。「儀礼的な会食」という従来的なお見合いをイメージする人が多い一方で、結婚相談所や知人からの紹介などをお見合いと捉える傾向があることもわかりました。旧来の “お見合い”という言葉や手法の定義が変わりつつあるのではないでしょうか。

教えて!森川先生
結婚相談所やマッチングアプリは“現代のお見合い”
職場恋愛が減少傾向にあるのは、コンプライアンスの問題やコロナ禍によるリモートワークへの移行が非常に大きく影響していると考えられます。
さらに、時間もお金も効率的に使いたいという現代の価値観に対して合コンはマッチしません。そうなると残された出会いの手段は、マッチングアプリか結婚相談所ですよね。Omiai Report の調査でも国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」でも同様の結果が出ていますが、要するにオンライン結婚相談所やマッチングアプリのようなインターネットを介した出会いが「令和の出会い」なのでしょうこれらの出会いが現代的であるという理由には、恋愛対象かそうでないかの選別に、「五感」よりも先に「条件」を優先させる傾向があることも挙げられます。条件から入る恋愛を求めているのであれば、結婚相談所やマッチングアプリは最適ですからね。
私は以前から「結婚相談所やマッチングアプリは現代のお見合い」と表現してきました。その理由は、分類は違っていても機能的には似ているからです。仲人がいるかいないかの大きな違いはありますが、何かを介してマッチングさせるお見合いという機能は同じです。従来型のお見合いが影を潜め、職場恋愛もなくなり、合コンは非効率的で面倒な出会いの手段となれば、現代のお見合いの需要が高まるのは必然的なことだと思います。
早稲田大学 国際教養学部教授
森川友義先生

政治学博士。
専門分野は日本政治、恋愛学、進化政治学で、早稲田大学では「恋愛学入門」を担当。
「恋愛学」に関する著書は『一目惚れの科学』、『恋愛学で読みとく文豪の恋』、『結婚は4人目以降で決めよ』など多数。

▶前回:お見合い議論2022~②みんなが出会いで重視していることは?~

▶第1回:お見合い議論2022~①恋活・婚活、みんなはどうしてる?~

▶NEXT:お見合い議論2022~④理想の出会いって何?お見合いってどう思う?~

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