全4回に渡ってお届けする「お見合い議論2022」、第2回の今回は出会いで重視している点について紹介します。
自分が相手に求める条件に見合うのか
真剣な交際を前提とした出会いを望む傾向に
「出会いで重視することは?」とアンケート調査したところ、「性格や価値観が自分とあう」と回答した女性が 70.1%、男性が 68.7%で男女ともにダントツの 1 位。
対人関係の研究者である鬼頭美江先生は「自分との類似点が多い人を魅力的に感じる傾向は、社会心理学の研究でも明らかになっています」と指摘します。どうやら「自分に似ている」=「自分とあう」人との出会いを求めるのは、普遍的なことのようです。
2 位にランクインしたのは男女ともに「相手の身元がはっきりしている」(男性 37.4%、女性 66.0%)。続く3位は、女性が「相手の職業・年収が希望にあう」で 47.4%、男性が「趣味などの興味・関心が自分とあう」で 33.3%という結果に。回答の選択肢を分類すると、『相手に求める条件』と『出会いの手段やサービスに求める条件』に分かれますが、上位の回答を見ると、「性格や価値観」や「身元」など『相手に求める条件』を重視する傾向が強いようです。
一方、『出会いの手段やサービスに求める条件』で上位だったのは「真面目な交際につながることが期待できる」で、女性が 41.2%、男性が 28.3%。この調査結果から、自分が求める条件に見合う、真剣な交際を前提とした出会いを望む人が多いことがわかりました。
この背景には、ある程度は相手の素性を把握できる職場での出会いや知人からの紹介が減り、その代わりにマッチングアプリなどインターネットを介した出会いが急増していることが影響していると思います。
また、この調査結果の男女 TOP5 を見ると、性格や価値観、職業や年収など相手に関する条件を重視している傾向が見てとれます。日本社会全体が個人主義化したことで、知り合いの紹介による出会いが減少しています。
そのため、出会いを求めるのであれば、自分から積極的に働きかける必要があるのですが、ばったり出会った知らない相手と関係を形成するのはなかなか難しいものです。そういった社会的な流れから考えあわせても、マッチングアプリや結婚相談所など、自分が相手に求める条件を提示してくれる “ 何か” を介した出会いが必要になっているのだと思います。
鬼頭美江先生
専門分野は、恋愛関係や友人関係などの対人関係。
対人関係の社会差を明らかにし、その社会差がなぜ生じるのかというメカニズムについて 20 年以上研究している。近年では、日本の婚活イベントやマッチングアプリについても積極的に研究を進めている。
そんな経験から、本格的なサービスにしてより多くの方々の結婚をサポートしたいと考え、2021 年11月に『UEHARA 結婚相談所』を開設しました。職場など身の回りでの出会いがないことは、お客様との面談でも実感しています。自分で出会いを探すのは非常に難しい世の中ということもあり、結婚相談所やマッチングアプリなどオンラインで出会いを求める人が増えているのではないでしょうか。
弊社では、気になる相手へのお見合いをオンラインで申し込み、対面でのお見合いを経てプレ交際という段取りを踏みます。「お見合いは敷居が高い」と思っている人もいますが、そんなことありません。1 時間ほど相手の方とお話した後に「また会ってみたい」と思えるか判断し、交際希望やお断りの連絡は相談所を通して行います。
その後、プレ交際までいけば電話番号や LINEを交換。入口が違うだけで、その後のプロセスはどの出会いも同じです。弊社が加盟する日本結婚相談所連盟のお見合い件数が月間 46,000件以上という数字からも、出会いの場としてお見合いが見直されていると思います。
上原啓輔さん
日本結婚相談所連盟加盟店「UEHARA 結婚相談所」代表。
美容室と結婚相談所を兼業し、お見合いのヘアスタイルやプロフィール写真のアドバイスも行う。