日常のデート代、お泊りデート代、プレゼント代…。みんなは一体いくらかけているの?気になるおサ イフ事情を、現在独身で恋人がいる男女 464 名に調査しました。
世代・所得別の恋愛に関する金銭感覚 がわかると、恋愛におけるお金の使い方や交際相手に何をどれくらい期待しているかが見えてきます。
全5回に分けてお届けする「男と女の恋愛経済学」、記念すべき第1回はデートのお財布事情と題し、「恋愛学」の権威として知られる早稲田大学国際教養学部教授・森川友義先生にもご登場いただき、 学術的知見から恋愛とお金についてもお話いただきました!
デートのお財布事情
毎回のデート代。いつもの何気ない支払いも、アンケートを解析してみると、20代は男女ともに割り勘意識が高いことが判明。さらに30代以上の女性と40代男性は、出し惜しみしていることもわかってきました。デート時の心理状態をアンケートグラフから読み取ってみましょう。
20代女性は割勘傾向? 30代以降はおごられ上手!?
「普段恋人と会う際に、あなたが支払う平均的な費用」(グラフ①)を見ると、20代の「デート代」は、男性と女性が1回のデートで支払う金額(男性9,980円と女性8,024円)はわずか1,956円の差ですが、30代になると差分4,271円(男性12,240円と女性7,969円)と20代の2.2倍。
これは、割り勘にしたいという回答(グラフ③)が20代女性に多い(48%)ことからも、彼女たちが割り勘傾向にあることを表していると言えます。ところが30代以降になると、男性の金額がぐっと増えていく(50代12,480円)のに対して、女性は上がるどころか減少気味…(50代4,320円)。その差がどんどん開いていくので、30代以降の女性は経験豊富でおごられ上手なのかもしれません。
「デート代のうち食事」は、年代が上がるにつれて割合が増え、特に女性の場合はデート代の半分近く(20・30代45%、40代69%、50代52%)が食費にあてられています。40代女性がデート代のうち食費が69%と最も多く、食に対するこだわり、グルメであることにステータスを感じる傾向もあるようです。
おごる、おごられる値段は、相手につけた値段と、自分につけられた値段
恋愛をわかりやすく例えると、男女にとって投資のようなもの。そして、恋愛を成功させるのに大切なものは、労力・時間・お金の3つがあります。この3つの大切なものを相手に投資して、リターンとして愛情を買うのが恋愛経済学的な仕組みなのです。
今の20代に割り勘傾向が強いのは、男女雇用機会均等法の施行によって、男女の収入差が小さくなっているという時代背景があると考えられます。
私が担当している早稲田大学の学生たちもそのようなので、今は割り勘が当たり前の時代と言ってよいでしょう。
30、40代の男性は経済的に余裕ができてくること、特に40代は、男性が「おごるか多めに出す」のが当然視されていた時代を見てきたので、その価値観が「女性より多く支払う」という結果に如実に表れています。男女の「おごる」「おごられたい」という意思は、「恋愛経済学」的視点で言うと、男性視点ならデート代は相手につけた「値段」であり、女性視点ならデート代は自分につけられた「値段」なのです。(もちろん、ジェンダーが逆、昨今ではさまざまな組み合わせになってもそれは同じことです)。
男性は価値の高い女性に対し、より多くのデート代を出さないと他の男性との競争に負けてしまいます。女性はおごってもらうと「価値の高い女」と評価されたことになるので、おごられたいと思うのは当然のことだと考えられるからです。繰り返しますが、これは恋愛をお金でとらえた「恋愛経済学」的な視点で考えた場合の仕組みです。
早稲田大学 国際教育学部 教授
政治学博士。1955年群馬県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、ボストン大学政治学修士号、オレゴン大学政治学博士号。国連専門機関勤務後、アイダホ州立ルイス・クラーク大学助教、オレゴン大学客員准教授を経て、現職に至る。早稲田大学で「恋愛学入門」担当。専門分野は日本政治、恋愛学、進化政治学。「恋愛学」の著書は『一目惚れの科学』、『恋愛学で読みとく文豪の恋』、『結婚は4人目以降で決めよ』等多数。
コラム 40代男性は高収入なのに、なぜデート代は控えめ!?
「あなたの年間の収入(手取り)」(グラフ④)において、平均512万円と最も稼いでいる40代男性が、なんと「デート費」は20代以降の男性で最も低い9,739円という調査データに(グラフ①)。「デート費用についての、あなたの期待」(グラフ③)でも割り勘にしたいという声が大きかったです。なぜ、40代男性だけ支払い額が減り、割り勘を望むのか…。意外な調査結果が浮き彫りとなりました。
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Omiai Information
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