2022.12.03 Omiaiレポート

匂いと恋の意外な関係~③男女と匂いの関係性。モテる匂いとは?嫌われるニオイとは?~

全4回に渡ってお届けする「匂いと恋の意外な関係」、今回は臭気判定士の松林宏治さんに登場していただきます。

相手の好みの匂いを知った上で、マーキングせよ!

におい刑事 臭気判定士 松林宏治さん

 

あらゆる匂いを嗅ぎ回る、通称におい刑事。
臭気判定士の資格を持ち、テレビや雑誌等で匂いに関するコメンテーターとして活動している、株式会社共生エアテクノの代表取締役。
著書「におい刑事(デカ)が教える ! ニオイで女性に嫌われない方法」。

匂いに挑むプロフェッショナルが、匂いと恋愛の密接な関係を調査!

スウェーデンのとある研究グループの結果で、最も好まれやすい匂いはバニリンというバニラエッセンスの元になっている匂いだと発表されています。逆に嫌われるニオイは、イソ吉草酸(※1)という、納豆や足が蒸れたニオイの原因とされる刺激的な匂い分子です。
かと言って、全ての人が好きか嫌いかというと、そうとは限りません。納豆が好きなは、イソ吉草酸も視覚に左右されて好きになることもあるので、全人類に対して好かれる嫌われる匂いというのはないのです。これはどうも個人の経験値や属性に委ねられると考えられています。

とある企画で私が行った実験で、視覚を遮った状態で被験者に加齢臭の元のノネナール(※ 2)を嗅いでもらったところ、三分の一は不快ではない匂いとして受け入れられたんですね。
種明かしをしたときは、「うわーっ!」と反感を示されたのですが、仮説として加齢臭の出ているお父様と良い思い出がある方には好まれる匂いだったということが分かり、個人の育った環境によるというのが1番の原因でした。

比較的に人間は、もともと視覚に頼っていることもあるので、美しいものはいい匂いだなと勝手に感じたりするようです。しかし、そこには男女間で違いがあり、どちらかというと匂いよりも見た目の好みで判断するのが男性。
一方、女性は例え好みのタイプであっても、本能的に匂いを嫌がった場合は、その男性を避けると言われています。男性と女性では、実は真逆なのです。

もし、モテる匂いを身にまといたいのであれば、ターゲットにしている相手の生まれ育った環境や好きな匂いなどの属性をさり気なく聞いてみて、好む匂いをほのかに身に付けるのが一番いい方法だと思います。
そうすることで、その香りの印象を相手の記憶に植えつけることができ、別の場所でも同じ香りを嗅ぐだけで自分の存在を思い起こさせるようなマーキング戦法が恋愛上で役立つのではないでしょうか。

※ 1 イソ吉草酸:チーズもしくは汗臭、足臭、加齢による口臭のような不快感を伴う刺激臭。足の裏のニオイの原因物質でもある。
※ 2 ノネナール:油臭く青臭いニオイが特徴的な、加齢に伴い強くなる体臭。

CHECK  POINT

「女性が男性を匂いで選ぶのかを検証する実験は、様々な研究機関で行われています。
そのひとつ、スイス・ベルン大学の生物学者であるウェデキンド博士によるTシャツ実験が有名です。
大学で 50 人の男子学生に 2 日間同じTシャツを着てもらい、50 人の女子学生にセクシーだと思うTシャツを選んでもらったところ、自分にない免疫情報を持つ男性の匂いが染みついた Tシャツをセクシーだと感じる傾向が見られた、という結果があります」
出典元:山元大輔氏著「男は匂いで選びなさい」

におい刑事 ニオイトリビア

女性の頭皮は、アメリカザリガニの 6倍のニオイという衝撃のデータが発表されたことがある。

詳しくデータを見るとアメリカザリガニの数値が思ったよりも高くないことが原因だったそう。
ちなみに女性の頭皮のニオイレベルを7 倍にすると、納豆と同等レベルの数値になるというデータがあるが、逆に男性だったら…!?

「フェロモン」という言葉は、メスのカイコ蛾がオスを引きつける物質を発することが発見された 1959年に名付けられた。

フェロモンの定義は「体から分泌されるもので、同種のほかの個体に対して影響を及ぼす化学物質の総称」。
現在はまだ人間に利くフェロモンが何かは見つかっていない。巷で販売しているフェロモン入り香水なども、科学的根拠はない。

▶前回:匂いと恋の意外な関係~①ヒトはどうやって匂いを感じるの?・②「キュン」っとする匂いって何だろう?~

▶NEXT:匂いと恋の意外な関係~④匂いで思い出すのは、あのときのこと…・⑤思い出す匂いは何の香り?~

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