全2回に渡ってお届けする「ふたりの性に対する価値観」、第2回は性生活の満足度についてお伝えします。
性生活について、みんなは話し合っているの?
半数以上のカップルが、性生活について話し合ったことがない!
「性生活に期待することを、パートナーと話し合ったことはある?」と 20 代~ 50 代の男女 377人に聞いたところ(グラフ④) 、「話し合っている」または「少し話したことがある」と回答した人の合計は42.2%。
半数以上の人がパートナーと性生活について話し合ったことがないという実態が明らかになりました。
また、話し合ったことがある人を対象に「どのタイミングで話し合った」かを聞くと(グラフ⑤) 、性行為をする前と回答した人が36.5%。
性行為をした後と回答した人が 63.5%という結果に。性行為後に話し合う人が大多数でした。
悩みを抱えていても他人に相談できない現実!
「パートナーとの性生活の悩みをどこかに相談したことはありますか?」 とアンケート調査したところ(グラフ⑥) 、77.2%の人が「特にない」と回答。
「友人・知人」に相談した人は 15.4%、「ネット掲示板や LINE などの相談室」を利用した人は 6.1%。セックスカウンセリングの専門家や医師へ相談する人は、ごく少数であることがわかりました。
前頁(グラフ③)では性生活に不満を感じながらも、その課題に対して直接的に対処している人が非常に少ないことが明らかになりましたが、パートナーとの性生活に関する悩みに関しても誰にも相談できずにいる人が多いようです。
パートナーとの話し合いが大切な理由
日本には、性生活についてパートナーとフィードバックし合う文化がないので、誰にも相談できず、対策がわからないという方が多いようです。パートナーとベッド以外の場所で性生活について語り合うことができないと、不満を解決することが困難になります。
例え愛するパートナーであったとしても、自分とは異なる人間。もともと価値観が違う相手であることを前提に考えたほうがいいでしょう。
つまり、性生活の価値観だってズレていて当たり前。何か問題が起きたり不満を感じたら、価値観をすり合わさなければならないと思います。
特に、結婚を前提としたパートナーがいる場合は「話しづらいことも話せる関係性」にしておくことが非常に大切。結婚したら、お金や介護の問題など、もっと話しにくいことも話し合わなければなりません。結婚前に少しでもこのような関係性を構築しておくことが理想ですね。
産婦人科医・医学博士
産婦人科医として、都内病院で診療に従事。著書『女医が教える本当に気持ちいいセックス』はシリーズ累計70万部突破。
https://www.puerta-ds.com/son/
性生活の満足度が高いのは、どんなカップル?
交際前や交際中に話し合っているカップルが性生活の満足度が高い!
性生活に関する話し合いの有無と性生活の満足度についてを調べてみると(グラフ⑦)、パートナーと性生活について話し合っている人のほうが、話し合っていない人よりも満足度が高い(その差 27.5 ポイント)ことがわかりました。
また、性生活の満足度と性生活について話し合った時期について調べてみると(グラフ⑧)、性生活で満足している人は、結婚後よりも交際する前や交際期間中に話し合っている人が多い(「満足していない」人との差28.6ポイント)という結果に。
交際期間中に性生活について話し合える関係性を築いておくことが、その後の性生活の満足度を高めることに繋がるのかもしれません。
愛するパートナーと、充実した性生活を送るために
パートナーとの性生活の関係性は 2 パターンあって、同じ人と性行為をしてマンネリで飽きてくるカップルと、ふたりだけの盛り上がる性行為を見つけて、より楽しい性生活が送れるカップルです。
性生活を楽しめるカップルになるためにも、性生活に対して話し合えるような関係性を構築することが非常に重要です。話し合う内容については、お付き合いが浅いうちは「どうすれば満足できる性行為ができるか」など、して欲しいことや嫌なことなど行為に関する具体的な話をするのが良いと思います。
お付き合いが長くなってからその話をすると「今まで満足させられなかったのか」と悲しむ人も多いので、早めに解決しておくべきだと思います。
お付き合いが長くなると、頻度やレスについてのお悩みを抱える人が多い印象です。年齢とともに挿入や射精もしづらくなってくるので、お互いが満足できるような無理なく楽しめる性行為について話し合ってみても良いかもしれません。
挿入まで行うとなるとハードルが高いと感じる人もいるので、挿入まではしない性的なスキンシップで満足する方法を若いうちから知っておいた方が、セックスレスになりにくいのではないでしょうか。
私感ですが、性行為に興味がないという女性は意外と多く、「恋愛はするけれど性行為はいらない。妊娠も人工受精で行いたい」という女性の声をよく耳にします。これは決して女性に限ったことではなく、性行為に興味がない男性もいるので、双方で性生活に対する考え方をすり合わせることはとても大切なことです。
そして、大前提として人の考え方は変わるもの。性行為が好きだった人でも、妊娠・出産を機に性行為に興味がなくなったという方もいます。私が約 400 人の産婦を対象に行った「産後のセックス頻度の調査」は、産後 6 ヶ月のカップルの約 6 割がセックスレスでした。
特に、出産後はホルモンの影響で女性側は性欲が減退します。授乳中は特になくなり、授乳が終わって生理が戻ると、性欲も回復するようになります。
よくあるのが、出産後に男性パートナーからの誘いを拒否し続け、自分の性欲が戻った頃には相手の心が折れ、セックスレスになってしまったというケース。そうならないためにも男性は若いうちに、「女性は出産後、性行為が難しくなり、性欲もなくなる」ことを理解しておくことが必要です。
一方の女性も冷たく拒否するのではなく「今は出産の影響で性欲がなくなっているけど、また元の体に戻る日が来るから待っててね」といった、男性の心を折らない配慮とコミュニケーションを心掛けるといいですね。
普段から性生活に対する価値観の共有を行い、体調の変化などをパートナー同士で話し合える関係性にしておくことは、とても大切なことです。
産婦人科医・医学博士
産婦人科医として、都内病院で診療に従事。著書『女医が教える本当に気持ちいいセックス』はシリーズ累計70万部突破。
https://www.puerta-ds.com/son/
性生活の満足度を保つ秘訣は対話!
交際期間中に話し合っておくと吉
パートナーと家族のことや仕事の話はできても、性生活の話題は何となく避けてしまうという人も多いのではないでしょうか。
性生活に限ったことではありませんが、お互いに思っていることやして欲しいことについて話すことなく、交際したり結婚したら、価値観の不一致により関係性が悪化してしまうこともあります。
今回の「ふたりの性に対する価値観」企画では、パートナーとの性生活は重要と考えている人が大多数だった一方で、性生活に対して満足している人は年齢とともに減少傾向に。また、 多くの人が性生活に関する不満や悩みを抱えているのに、それらの課題に対して具体的に対処できていない実態も明らかになりました。
産婦人科医で性科学者の宋美玄先生も「性生活についてパートナーとフィードバックし合う文化がないので、誰にも相談できずに対策がわからないという方が多い」と指摘しています。
一方、性生活の満足度が高いカップルに共通しているのは「性生活について話し合っている」「交際期間中に話している」ということ。宋美玄先生も「お付き合いが浅いうちに、どうしたらお互いが満足できるかを話し合ってみることが大切」とアドバイスします。
マッチングアプリで出会い、お付き合いすることになった相手とも、折を見て性に対する価値観のすり合わせをしておくべきでしょう。それは決して恥ずかしいことではなく、パートナーとの愛を深めるために必要なことであり、誠実な対応です。
■調査概要
調査名称:パートナーとの継続的な関係における行為についてのアンケート
調査期間:2022年11月17日~2022年11月18日
調査対象:性生活のパートナー(配偶者、恋人)がいる、全国 20 ~ 59 歳の男女
調査数 :377名
調査方法:Web アンケート
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▶第1回はこちら:ふたりの性に対する価値観①~性生活は重要だけど、満足できていない!?